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奉仕の基盤

視力ファースト・プログラム継続30周年を祝うLCIF

アンドレア・スモール、カリン・ラーナー 2020 年 10 月 05 日

ライオンズクラブ国際財団(LCIF)は、独自性があり影響力の大きいイニシアチブやプログラムを提示し、また援助交付金を提供することで、誇りを持ってライオンズの奉仕を強化しています。視力検査の際「20/20」(米国の視力単位)は正常の視力を意味しますが、英語で「20/20」と言うとき同じように発音する今年2020年に、LCIFの交付金プログラムの中で最も影響力の大きい視力ファースト・プログラムは、奇遇にも30周年を迎えます。

ライオンズはいたるところで誇り高く、世界中の何百万人もの人々の視力に影響を与え続けています。

1990年に開始したこのプログラムの使命は、眼科医療が不十分な地域の眼科医療システムを強化することで、失明や視力低下と闘う力と、目の不自由な人々を援助する力をその地域の人々に与えることです。視力ファーストを通じて、ライオンズは医療従事者やパートナー組織と協力し、世界中の何百万人もの人々の視力に大きな影響を与えてきました。

これまでの30年間の歩みは素晴らしいものでしたが、この取り組みはまだ一歩を踏み出したばかりです。

プログラム開始直後
1917年のライオンズクラブ国際協会の設立直後から、ライオンズは視力保護のイニシアチブに取り組んでいましたが、1925年、毎年恒例の国際大会に集まったときのことでした。ここでヘレン・ケラーの痛烈な訴えを耳にしたことで、歴史が動く瞬間をほどなく体験することになるとは、ライオンズにはまったく思いも寄らなかったのです。基調講演の中でヘレン・ケラーはライオンズに対して「盲人のために暗闇と闘う騎士」となるよう切実に訴えました。

ライオンズは彼女の強くて明確な訴えを聞き、責任と挑戦を受け入れます。以来100年以上にわたり、ライオンズは視力保護の取り組みに対して、日を追うごとに、年を追うごとに、そして年代が移るごとに着実に、より大きな力を注いできました。

時間を早送りして1990年まで進めましょう。その年に設立22年目を迎えたLCIFは、視力保護の分野のリーダーとしてのライオンズの役割を確固たるものにする、画期的な決断を下しました。1990年の視力ファースト・キャンペーンの開始により、LCIFは世界規模で視力を保護し失明を予防するためにライオンズによる活動が拡充するよう、最前線に立って支援を開始しました。その最初の視力ファースト・キャンペーン、続いて2005年に開始された視力ファースト・キャンペーンIIライオンズの「すべての人に視力を」によって、4億1,500万ドル以上の資金が集まり、LCIFは視力ファースト交付金を通じて、ライオンズとパートナー組織との取り組みを支援しています。

視力ファーストの最初の交付金は、メキシコと南米の数カ国で白内障の手術を受けていない人たちの治療を行う事業に対して拠出されました。これ以降、人生を変える交付金によって事業は拡大し、ライオンズの事業は112カ国で展開されています。LCIFの視力ファースト交付金は、眼科医療の専門家向けの研修の実施、既存の眼科医療システムのインフラの改善、失明者や視覚障害者向けの目の健康に関する教育とリハビリテーションの普及などを支援することで、何百万人もの人々の視力の回復と改善を進めるライオンズに活力を与えています。

専門知識の活用
より多く学べば学ぶほど、より多くのことが実行できます。LCIFとライオンズは、眼科医療の専門家の専門知識を活用すれば、視力保護の取り組みの影響力を劇的に高められると確信していました。正しい知識を広めることは、母親の顔を自分の目で見られるようになった子どもが増え、親の視力が改善されて生計を立て直せるようになって経済的に安定する家族が増え、世界の美しさがはっきり見える高齢者が増えることにつながります。

そこでLCIFは視力ファースト運営委員会、現在の視力ファースト諮問委員会(SAC)を1990年に招集しました。それ以来、失明予防の世界的な専門家とライオンズのリーダーで構成されるこの委員会は、年2回、毎年開催されています。時期に応じた活発な議論が交わされていて、議題は常に、ライオンズが奉仕を進めている地域社会と直面している課題に関連するものです。また、委員会では毎回、ある役割を果たす委員会メンバーの選出も行います。その役割とは、視力保護分野の奉仕の名目で行われたライオンズの交付金申請の内容の審査と、LCIFの交付金が、影響力のある成果の見込める事業や人道奉仕活動のニーズを満たす事業に対して拠出されているかを確認することです。

事業がSACの承認を得ると、 ライオンズの「現場」の仕事が始まります。事業の日常的な管理、資金調達、アドボカシーの提供、アウトリーチイベントや広報の調整などです。LCIFからの資金援助を受けたライオンズが現場に立ち、地域の保健当局、眼科医療の専門家、その他の非政府組織などといった視力ファースト事業の主要なパートナーと協力しながら事業を進めます。

数字で示す視力ファースト
これまでに、112カ国、1,330以上の事業に対して、3億7,000万ドルを超える視力ファースト交付金が承認されました。こうした取り組みの成果の一部を以下にご紹介します。

  • 900万件の白内障手術を実施しました。
  • 200万人の眼科治療の専門家と地域医療従事者が専門分野の研修を受講しました。
  • 1,350件の眼科センターを建設・拡張、あるいは設備を整えました。
  • 目の感染症で痛みを伴うトラコーマを撲滅するための治療薬1億8,500万回投与分が配布されました。トラコーマは、きれいな水があまり使えず公衆衛生もなかなか行き届かない地域で見られる病気で、回復不能な失明につながります。
  • 河川盲目症の進行を抑える治療薬3億1,000万回投与分が配布されました。河川盲目症は、寄生虫を持つハエが媒介する感染症で、他の眼病や失明の原因にもなります。

「ライオンズはいたるところで誇り高く、世界中の何百万人もの人々の視力に影響を与え続けています」と、LCIF理事長のグドラン・イングバドターは話します。「LCIFからの視力ファースト交付金を受けて、私たちは『盲人の騎士になってほしい』という、1925年にヘレン・ケラーが訴えた呼びかけに応えてきました。視力ファーストの取り組みを始めてから30年で、私たちは多くのことを成し遂げました。ライオンズとパートナーからも継続的な資金提供がありますし、私たちはこれからも視力ファーストの伝統を受け継ぎ、視力保護の分野でさらに歴史的な変化を生み出していきます」と彼女は付け加えます。

視力ファーストの伝統を受け継いでいきます

視力ファーストのストーリーはこの後もまだ続きます。また、プログラム開設の経緯を振り返るのであれば プログラム開始直後 で詳しく説明しています。

力を合わせて、より力強く
LCIFと視力ファーストの視力関連事業は間違いなく、グローバルな善意の強い原動力となっています。その力に加えて、世界的に有名な戦略的パートナー組織が複数あります。

世界保健機関 (WHO) はそのようなパートナー組織の1つであり、視力ファースト・プログラムには初期の段階から、戦略的な助言を寄せたり方向性を示したりという形で協力しています。WHOとの特筆すべき取り組みの1つである「ライオンズとWHOによる子供の失明をなくすプロジェクト」は視力ファースト交付金を活用し、ニーズに応えて、世界30カ国に54のライオンズ眼科医療センターを設立し、そこで予防、治療、リハビリテーションなどの眼科医療サービスを提供しています。LCIFとWHOは協力をさらに深め、糖尿病の管理と糖尿病性網膜症の管理を評価し、これら双方の医療部門の協力と相乗効果のレベルを推定するためのツールの開発にも取り組んでいます。

LCIFとWHOが共同で進めている「ライオンズとWHOによる子供の失明をなくすプロジェクト」の一環で、エチオピアで目の治療を受けている子ども

LCIFは1994年から、カーター・センターとのパートナーシップを通じて、ライオンズの取り組みに視力ファースト交付金を拠出しています。河川盲目症やトラコーマの治療、進行したトラコーマから視力を回復させる手術、感染症の拡大を防ぐための何百万基もの仮設トイレの設置などを通じて視力の改善と回復を目指す取り組みです。このパートナーシップは、大規模かつ成功を収めている視力関連事業という意味では世界有数のもので、アフリカやアメリカ大陸の各地で、多くの人々に対して数字に表れるほどの明確な変化をもたらしています。

視力ファースト・プログラムの成功を受けて、このパートナーシップを21世紀にも継続しようという機運が高まりました。これにより、ライオンズが世界各地の視力関連事業に与える影響力が飛躍的に増大しました。

ライオンズとスペシャルオリンピックスのパートナーシップにより開設された「オープニング・アイズ」プログラムは、2001年に始まりました。オープニング・アイズ・プログラムを通じて、ライオンズは世界各地で開催されるスペシャルオリンピックスで視力検査を実施し、選手たちの眼鏡の調整を行っています。また、このパートナーシップは、より良い治療を提供する目的でビジョンケアの専門家に対して行っている研修にも役立っています。プログラム開始以来、視力検査を受けた選手は40万人、処方眼鏡を受け取った選手は175,000人に達しています。

学校で視力検査を受けたばかりのガーナの子ども

20年近く前から、LCIFはジョンソン&ジョンソン・ビジョン社 (JJVCC)ともパートナーシップを確立しており、2002年に「サイト・フォー・キッズ」プログラムを開始しました。これは学校単位で目の健康を増進する活動を行うプログラムで、ライオンズを動員して目の健康に関する啓発活動、高精度の視力検査、専門的な眼科医療や治療の紹介を行います。世界各地で行われているサイト・フォー・キッズ事業により、これまで3,000万人以上の生徒たちに視力検査を実施し、57万5,000人以上の生徒に治療を提供してきました。また、眼鏡が必要な子どもたちに50万本以上の眼鏡を届け、19万人以上の教育者、ボランティア、ライオンズに対して目の健康に関する研修を実施し、生徒たちに連絡を取ったり、評価したり、医療機関に紹介したりするために必要な用具や機器を提供しています。

私もお手伝いします: 視力保護の歴史を築く

成功を祝うだけでなく
過去30年間にLCIFの視力ファースト・プログラムが成し遂げたことの大きさを振り返ると、驚異的な進化、前例のない進歩、パートナーシップの力、世界中の何百万人もの人々がより健康で、より前向きに一層建設的な社会の一員になっていることに気づきます。祝うべきことは本当にたくさんあります。

ただし過去を振り返るばかりではなく、私たちは将来に目を向ける必要もあります。そうすることで、さらに何百万人もの人々が切実に求めているのが見えてくるからです。 WHOの発表によると、全世界で視力障害者または失明者が少なくとも22億人います。

イングバドター理事長は次のように話します。「LCIFとライオンズの視力保護に関する取り組み、特にここ30年間継続してきたLCIFの視力ファースト・プログラムは、世界中で人々の人生を変えています。LCIFがライオンズの奉仕への支援を継続していることに感謝しています。また、私たちがこの重要なニーズに応え続けられるように、LCIFおよび視力ファーストへの支援を継続してくださるよう、ライオンズに、またライオンズ以外の皆さまにもお願いします」

視力保護をサポートし、視力ファースト・プログラムをサポート

視力ファースト・プログラムが世界に与える影響については 数字で示す視力ファースト をご覧ください。 また、プログラム開設の経緯を振り返るのであれば プログラム開始直後 で詳しく説明しています。


アンドレア・スモールは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のマーケティングおよび広報上級スペシャリストです。カリン・ラーナーは、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)のシニアコンテンツスペシャリストです。

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